ホイールオブライフを取り入れた目標管理
- 今井 秀司
- 5 日前
- 読了時間: 4分
人生を“全体”でデザインする。
―― ホイール・オブ・ライフから始める本質的な目標管理

目標を立てるとき、私たちはつい「仕事」「お金」「成果」など、目の前の領域に集中しがちです。
しかし、どんなに仕事がうまくいっても、人間関係が崩れていたり、健康を損なっていたりすれば、「達成したのに幸せを感じられない」ということは珍しくありません。
本来、目標とは「人生全体のバランスと納得感」をつくるためのものであるはずです。
そのためには、自分の人生を“全体”として見つめ、領域ごとに整える視点が必要です。
今回は、そのための強力なツール「ホイール・オブ・ライフ(人生の輪)」を活用した目標管理の方法をご紹介します。
ホイール・オブ・ライフとは?
ホイール・オブ・ライフは、コーチングやキャリア開発の場面でよく使われる自己評価ツールです。
人生を構成する主な8〜10の領域を車輪のように円形に配置し、それぞれの満足度を視覚的に確認できるようにしたものです。
代表的なカテゴリは以下の通りです(変更も可能です):
1.仕事・キャリア
2.お金・経済状況
3.健康・フィットネス
4.家族・パートナーシップ
5.人間関係・交友
6.学び・自己成長
7.趣味・遊び・余暇
8.感情・精神の安定
9.生活環境・住まい
10.社会貢献・使命感
これらの各領域について、現在の満足度を0〜10で自己評価し、円グラフのように図示すると、自分の人生の「バランス」や「偏り」が一目で見えるようになります。
なぜホイールを使うのか?
仕事や収入など、成果に直結しやすい領域に偏った目標ばかり立ててしまうと、
見えないところでバランスが崩れ、体調を崩したり、関係性が悪化したりといったリスクが高まります。
ホイール・オブ・ライフは、
・人生全体を俯瞰して目標を立てることができる。
・見過ごしていた重要な領域に気づくことができる。
・偏った自己評価や理想に気づき、修正できる。
・「今、本当に整えたいのはどこか」が明確になる。
といった効果があります。
実践ステップ
1.10領域を自分に合った言葉で設定する。
全員にとって「お金」や「趣味」が重要とは限りません。
自分にとって大切な要素にカスタマイズして構いません。
2.現在の満足度を0〜10で自己評価する。
「理想に対してどのくらい満たされているか」を素直に数値化します。
3.グラフにして可視化する。
視覚的にギザギザになっていたり、極端に低い領域があれば、そこが重点領域です。
4.各領域ごとに、定性と定量をセットにした目標を設定する。
感情や状態と、数値や頻度の両方を明示することで、継続と達成の実感が生まれます。
例:
【健康】
・定性:エネルギーに満ちた状態で日々を送れる。
・定量:週3回、30分以上の運動を継続する。
【学び】
・定性:新しい知識を得ることにワクワクできている。
・定量:月に1冊ビジネス書を読了、年内に資格を1つ取得
5.松竹梅の目標設計を加える。
各目標に対して、理想(松)、標準(竹)、最低限(梅)の3段階で幅を持たせると、現実とのギャップに対応しやすくなります。
ホイールとバックキャスティングの組み合わせ
ホイール・オブ・ライフは、バックキャスティング思考と非常に相性が良いです。
各領域ごとに「3年後にどうなっていたいか」「1年後には何が実現できていればいいか」を逆算することで、目標の設計がより立体的になり、将来から現在への道筋が明確になります。
重要なのは、「今の自分に足りないものを埋める」のではなく、
「未来の自分にふさわしい生き方を今から整えていく」という視点です。
こんな人におすすめ
・仕事中心の生活に偏っていると感じている。
・目標を立てても、日常に落とし込めない。
・どこか満たされない気持ちがある。
・自分の価値観が整理されていない。
・本当に大切にしたいものを、言葉にできていない。
ホイール・オブ・ライフは、こうした課題に静かに答えてくれる「人生のコンパス」のようなツールです。
目標とは、ただの作業リストではありません。
それは、「自分らしい人生をどう整えていくか」という意思の表現です。
人生のすべての領域に完璧を求める必要はありません。
でも、自分の中にあるすべての領域に「目を向けること」には、意味があります。
ホイール・オブ・ライフを使って、あなただけの全体設計を始めてみてください。
その円がバランスを取り戻すとき、心も行動も、自然と前向きに整っていくはずです。
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