SMARTな目標管理
- 今井 秀司
- 5 日前
- 読了時間: 4分
「やる気はあるのに、なぜか達成できない」
―― SMART目標で、実現可能な計画をつくる技術

目標は立てたのに、途中で見失ってしまう。
やるべきことは分かっているのに、行動が続かない。
何となく努力しているけれど、どこに向かっているのか曖昧。
このような状態に陥る原因は、目標の中身が「曖昧」だからです。
目標とは、自分の行動と意志を結びつける“地図”のようなものです。
その地図がぼんやりしていれば、当然、どこにもたどり着けません。
そこで今回は、目標設計のフレームとして有名な「SMART」の5要素をもとに、
実現可能な計画を立てるための考え方と実践方法をご紹介します。
SMARTとは何か?
SMARTは、目標設定の品質を高めるために押さえるべき5つの要素の頭文字を取ったものです。
1.Specific(具体的であること)
2.Measurable(測定可能であること)
3.Achievable(達成可能であること)
4.Relevant(目的に沿っていること)
5.Time-bound(期限があること)
この5つの視点をすべて満たす目標は、「実行可能で、行動につながる目標」となります。
SMART目標を構成する5つの視点
1.Specific:具体的であるか?
「売上を上げたい」ではなく、「月の売上を20万円から30万円に上げる」など、
曖昧な言葉を避けて、誰が読んでも内容が明確になるように書き出します。
2.Measurable:測定可能であるか?
「できたかどうか」が判断できるよう、数値・回数・頻度などの指標を必ず含めます。
例:月に5件の新規契約を獲得する、週3回30分の運動を実施する。
数値があることで、進捗を確認しやすくなり、自己評価や軌道修正も可能になります。
3.Achievable:現実的に達成可能か?
高すぎる理想や、無理のある行動量を目標にすると、挫折や自己否定につながりやすくなります。
今の自分の状況やリソースを踏まえ、「背伸びすれば届くレベル」の目標を設定します。
4.Relevant:目的とつながっているか?
その目標は、そもそも何のために立てるのか。
自分の価値観、人生設計、ビジネス戦略などと関連しているかを確認します。
例:単に数字を追うためではなく、「家族との時間を増やすために収入を安定させたい」といった背景があるか。
行動の目的が明確になると、日々の実行にも納得感が生まれます。
5.Time-bound:期限があるか?
「いつまでに達成するのか」を明確にしないと、行動は後回しになります。
「6月末までに」「90日以内に」「週1回ペースで」など、スケジュールを明示し、
具体的なタイムフレームを持つことで実行が加速します。
SMART目標の事例
たとえば、以下のような目標はSMARTの5要素をすべて満たしています。
【例1:ビジネス】
「今期(4月〜6月)に、月10件の新規商談を獲得し、3件以上の契約につなげる。既存顧客との関係強化にも時間を配分し、1日30分のフォローアップ時間を設定する」
【例2:健康】
「6月末までに体重を3キロ減らす。週3回ジムに通い、毎日夜20時以降の間食を控える。体調と気分を週ごとに記録し、成果と感覚を振り返る習慣をつける」
【例3:学習】
「3か月以内に○○資格を取得する。1日90分の勉強時間を確保し、毎週日曜に進捗確認と復習を行う」
どれも「いつまでに」「どのくらい」「どんな行動を」「何のために」やるのかが明確になっており、取り組む側にも、支援する側にも迷いが生じません。
SMART目標はモチベーション管理にも有効
目標が曖昧だと、どんなにやる気があっても続かなくなります。
逆に、SMARTな目標は「達成したかどうか」が明確であり、行動と成果が結びつきやすくなります。
さらに、目標の達成感が「小さな成功体験」となって積み上がり、
自己効力感(自分にはできるという感覚)や自己信頼感を育てていきます。
目標を持つことは素晴らしいことですが、
それを現実に落とし込む設計がなければ、行動にはつながりません。
SMARTは、目標を「意志」から「行動」へ変換するための実用的な設計ツールです。
ぜひ次に目標を立てるときは、この5つの視点をひとつずつ確認しながら、
自分にとって納得のいく計画に仕上げてみてください。
あなたの目標が、努力と成果をつなぐ“道しるべ”になりますように。
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